産業クラスターという考え方があります。
産業クラスターとは、ポーターによると、
『特定分野における関連企業、専門性の高い供給業者、サービス提供者、関連業界に属する企業、関連機関(大学や規格団体、業界団体など)が地理的に集中し、競争しつつ同時に協力している状態』、と定義されています。
ちょっと難しい言葉が並びましたが、つまりは、同じ地域に同じ業種の企業が集中していて切磋琢磨している状態、ということです。
例を挙げると、シリコンバレー(ハイテク・情報産業)やハリウッド(映画・エンターテインメント産業)などがあります。
日本で言うと、ビットバレー(渋谷)や、六本木ヒルズなどもそれにあたるのかもしれません。
旅館について考えてみると、温泉地に旅館が多く集まっていたりするのも、一種の産業クラスターといえるのではないかと思います。
これは温泉がそこに湧いているから、というのが一番大きな理由でしょう。
最初は単純にそれだけだったかもしれません。
しかし、だんだん旅館が建ち並ぶようになってくると、それだけの意味ではなくなってくるように思います。
やはり集まることによって、地域としてのより大きな集客力を獲得でき、地域全体を活性化させることが出来る、ということもあると思います。
密集することによって、次のような効果があると思います。
・地域としての広告宣伝力の強化
・競争により、サービスに磨きがかかってレベルが上がる
・価格競争などにより、ユーザーが利用しやすくなる
・地域全体の活性化
おそらく、『産業クラスター』なんて小難しい用語が出てくる前から、日本では『温泉地』という、素晴らしい産業クラスターがあったのです。
それが今、崩壊しかけているところが多くあります。
大きな旅館が一人勝ちをして周りの旅館がつぶれていくパターンや、
地域全体的に低迷して勝者のない戦いが行われているパターンなどです。
これは非常にもったいないことです。
全体が協力して、地域としての競争力を強化させるべき時に、個々の利益のことばかりを考えていては、地域全体がどんどん弱体化していきます。
もちろん競争も重要ですが、やはり協調が大事でしょう。
地域としての広報活動・競争力の強化は、一人ではできません。
また、市や行政にまかせっきりにしていても実現しないでしょう。
そういう意味で、各々が知恵を出し合って考え・実行していくことが重要でしょう。
一度戦いの手を休めて、もう少し広い視野をもって考えてみてはいかがでしょうか?
なにかまた違ったものが見えてくるかもしれません。




